2007年4月22日 (日)

9.広葉樹・雑木

これもうちの定番ですね。いつも使う杉や桧は針葉樹。最近は家具以外にはなかなか使われない広葉樹・・・葉っぱが平べったく、大体硬くて、重い木が多いですね。私が使うのはその中でも、一般的にはあまり使われず、捨てられてしまう雑木・・・が多くなります。栗などは岩手の方では土台などにも使われますが、私が良く使う太い丸太はあまり見ませんね。栗は広葉樹ですが、肌触りが暖かく、木目も穏やかで・・・気に入っていて、よく大黒柱や梁や階段の板などに使用します。家具も大工さんにお願いして作る事が多くなりました。

以前は吉田建築さんにごろごろ有った木を使ったり、細田材木さんの持っている変な広葉樹を使ったものですが、だんだんエスカレートし、近所の植木屋さんの伐採した雑木を使ったり、建て主の敷地に有った雑木を使ったり、細田さんと岩手に探しに行ったり・・・いろいろして来ました。最近はいろいろな工務店が独自のルートで広葉樹を手に入れてくれるので、幅がますます広がりました。

面白いのは名前の知らない木が多いことです。地域での呼び名もあれば、本当に分からないものも有ります。もともとは「もったいない」から始まった雑木利用でしたが、あのきれいな木目に嵌ってしまって、探してまでも使うようになりました。でも、基本はもったいない・・・ですので、木を無駄にせず、知られない魅力を探りながら使って行きたいと思います。栗、胡桃、桑、ナラ、ケンポナシ、アサダ、欅、樫、桜・・・いろいろ魅力的な木があります。

木の魅力は大工さんも感じるようで、一度付き合うと工務店がいろいろストックしてくれたりします。広葉樹は針葉樹以上に乾燥に時間を掛ける必要がありますので、助かります。

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2007年2月18日 (日)

8.架構・見せる構造

マツザワ設計の一番のポイントかも知れませんね。構造を魅せる!

木が好きで、たくさん使いますが、これは環境のためだったり、健康を考えてだったり、建材として優れているからだったり、住宅を創るのに向いていて永く付き合える素材だからだったり・・・いろいろ訳はありますが、意匠的にはきれいに見せたいと思っています。

露出させることによって、木が吸放湿をしたり、木の経年変化を楽しめたり、木の様々な木目や年輪などを楽しめたり、安心感が伝わったり・・・いろいろ良いところがあります。木を魅せる場合、広葉樹の柱や梁を見せる場合と、杉などの針葉樹を見せる場合とデザイン的には少し違うように思っています。広葉樹(雑木)については別のテーマでも触れますが、きれいな木目を如何に魅せるか?考えて、表面の加工も決めて参ります。太鼓に落としたり、殴ったり、一部だけ削ったり、そのまま使ったり・・・いろいろ考えます。木によっていろいろ表情も色も肌も違うので、この時が結構楽しい時です。また、その広葉樹の組合せも楽しみです。細田さんや吉田さんの所に転がっている丸太や板を見ながら、もしくは設計に合わせた木を探してもらったりして、あれこれ考えます。あまり表に出したくは無いのですが、建て主さんには事後承諾に近い報告になってしまう事が多いようです。置いてある木は汚くて、グロテスクで、とても完成時の状態を想像出来るものではありません。たぶん・・・。それを見ながら、決めていくので相談しながら・・・はなかなか出来ないんです。岩手に行って、選ぶ事もあり、出来れば建て主持ちの交通費で、温泉にでも浸かりながら行ければ幸せなのですがね。また、その場で決めなければならない事が多く、スタッフにも任せられない仕事になっています。私の独断と偏見で決まってしまう部分かも知れません。加工時には、きれいになった姿を建て主さんにも確認して頂きますが、その時期でもまだ家の一部になった状態はイメージし辛いかも知れませんね。

針葉樹(杉)の架構はフレームをきれいに見せたいと思っています。金物は見せずに、大工の腕も見せます。また、部材も単純に柱4寸と梁8寸と尺梁・・・の組合せではなく、様々な検討を行って、8寸角や9寸角の梁を採用する事もよくあります。山から出てくる木のサイズを考えると、梁成の大き過ぎるものは不経済になり、また手に入らないので、断面係数を考慮して、角材とする事もありますし、民家のような美しさを求めて、角材を使うこともあります。全体にバランスの取れたフレームは、強度面でも有利です。また比較的大き目の部材を使うので、端部の処理には気を遣います。規則正しい、きれいな架構は気持ちの良い空間を演出してくれます。逆に間取りの制約を受ける場合もあり、基本設計では苦労しますが、構造的にも、意匠的にも良い建物になるので、多少の犠牲は仕方ありません。

何度か、背梁といって、建物の中央付近に、背骨のように太い太鼓丸太を平に使う事がありました。今、水平剛性は合板で取るのが一般的ですが、火打ちだけではなく、このような背梁と太目で長めの梁の組合せで組み上げる手もあります。残念ながら法的には評価されませんが、昔からの大工の知恵とを活かし、粘りのある建物を目指したいと思っています。力学的にも根拠のある事で、破壊する前にはかなりの力を負担してくれます。

こんな木組み・・・もっときれいに、もっと強くしたいと思います。

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2007年1月 6日 (土)

7.自然素材

久々の書き込みです。

自然素材がブームになっていましたが、何故でしょう?自然素材の良さが見直されてブームになった訳では無さそうです。シックハウス症候群とか、ホルムアルデヒドとか聞くようになりましたね。その前に高気密高断熱住宅という言葉が世間に広く伝わりました。寒冷地での省エネ工法でしたが、徐々に関東にも伝わって来ました。今では九州沖縄まで伝わったという話です。

その高気密から室内環境汚染が広がり、その対策としてホルムアルデヒドなどを排除する法律が制定されました。合板や内装材なども法規制され、今良く見るのは☆☆☆☆ですね。また居室には換気が義務化され、換気扇や給気口が設置されるようになりました。何だか変な法律なのですが、低いレベルの底上げとしては必要な法律かも知れませんね。建材の有害物質を排除・規制して、持ち込み家具等から発散する有害物質を排出する為に、換気扇を取り付け、室内の指定有害揮発性物質を減らしています。

そんな動きの中で自然素材が見直され、積極的に採用されるようになりました。では、何故かつて排除されたものが復活したのでしょう?30年以上前になったかも知れませんが、新建材などが流行り、ビニールクロスが普及して・・・職人の技術を必要とせず、簡単にきれいになる建材で家が造られるようになりました。これはハウスメーカーの台頭と比例しているのかも知れません。町の大工・工務店もまねをして、技術を売らずに家を売るようになりました。そんな手間の掛からず、簡単にきれいに出来る建材にも落とし穴がありました。住む人のために良いものではなく、造り手に都合の良いものを、また売れるものを作るあまり、有害物質をたくさん含んだ、またゴミ処理上問題のあるものが『良いもの』としてドンドン売り出されました。確かに自然素材は施工に手間暇が掛かり、竣工後もクレームが発生し易いものです。職人の技術も必要で、メーカーにとっては使いたくないものです。価格競争や商品の開発で、工務店もそのような建材を無視するわけには行かず、ドンドン自然素材は排除されて、山は荒れ、大工の技術もなくなり、左官屋は廃業に追い込まれ・・・使うにも使えなくなってしまいました。

しかし、この自然素材ブームによって多少息を吹き返したのが、山の木と左官、そして大工です。私の仕事には欠かせない人達ですが、ここ20年くらい日陰の身?だった人達にスポットライトが当てられて来ました。まだまだ偽自然素材ブームなのですが、このブームが去った頃、本当の自然素材の時代が来ると思っています。建て主も本物を見る目が出来て、職人も自信とプライドを持って仕事するようになる時代です。あと少しかな?って思ってます。

さて、本題の自然素材ですが、何が良いのか?ですよね。自然素材でも有害なものはたくさん有りますが、先人の知恵で上手に使って、上手に処分して来ました。欠点は手間暇掛かるとか、技術が必要とか、今の流通では高いものになっている・・・こんな点ですが、ここ数年のブームのおかげで随分安くなりました。職人も随分復活して来ました。後は本物をしっかりと建て主に伝え、良いものを創るだけです。でも、これがまた大変なんです。大手が作るものは良いもので、安全で・・・と日本人は思うようで、魚屋・八百屋・肉屋が衰退し、コンビニとスーパーばかりになったように、ものよりも会社の信用と宣伝に動かされる時代になっています。魚屋・八百屋・肉屋の努力不足もあったかも知れませんが、これらの小売店主は朝早くから、良いものを求めて市場に出て、自分の目で見て、良いものを仕入れ、自分のお店でお得意さんに会話をしながら販売していました。消費者も良いものの見分け方を教わったり、学んだりして、需要と供給の関係が良い人間関係で構築されていました。今、人を信用しない時代になり、大手を信用し、小売店を排除してしまいました。悪く廻りだすと、何事も上手く行かずに、極一部を除いて良質な物を売る小売店舗は無くなってしまいました。今でも商店街で見かけるとホッとします。頑張って!と言いたくなります。

話しが脱線しましたが、家も同じなんです。私達設計者が関わるのは極一部ですが、多くの職人の手で創られるのが『家』です。お店で買うものではなく、一緒に創り上げるものです。自然素材の家はその代表です。まがい物は有っても、本当の自然素材の家はメーカーや営業だけの会社では造れません。是非、本物を見て、知って下さい。

まだ自然素材が何故良いか?言っていませんでしたね。長い間使い込まれ、欠点は徐々に克服され、長く使うには良いものだけが残って来ました。当然、ごみになっても土に帰って、自然を破壊しません。人にも自然にも優しいもの達です。当然、安全性だけではなく、住んでいて快適で、経年変化も穏やかで、楽しめるのが自然素材です。造り手をしっかり選ばなければ偽物になってしまいますが、賢く選んで下さい。まだまだ地球は大丈夫です。いい家も創る人が居ます。

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2007年1月 3日 (水)

マツザワ設計仕様と用語辞典

そろそろ書かないと・・・ですね。あっという間に秋から冬になってました。急がないと春になっちゃいますね。毎月1,2個書けば良いのですが、なかなか気が向かないと進みませんね。今年の目標・・・毎月合計2個の書き込みをしよう!!

なかなか先に進むとネタに困って来ますね。タイトルは決めてありますが、何だか同じ事ばかり書いているような気がして来て・・・でも、書き終えて新しいBLOGにしましょう。

ここは元々、皆さんとのお話しの場なのですが、なかなか書き込みが無いので自分でいろいろ書き始めましたが、出来れば質問などがあって、それをネタに書きたいものです。

今、事務所の記録?いろいろ創って来た家の資料整理をしています。冊子にしたり、HPに載せたりしたいと思っています。作業中が「古民家再生」です。マツザワ設計仕様の整理もしたいな・・・と思っています。

南浦和のコミフロは参加自由ですので、お時間が有りましたらお寄り下さい。お茶くらいは出ますので・・・。

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2006年9月24日 (日)

6.貧乏人の家シリーズ おまけ

何だか良く分らないシリーズ説明になってしまいましたね。簡単に言うと・・・

1.S-HOUSEはとにかく基本だけをしっかりと作った家です。まあ、完成していないと言えば、そうかも知れませんが、暮らすには十分です。

2.B-HOUSEは「あったらいいな~」「欲しいな~」は我慢する、本当に必要なものだけの住宅です。でも、良く見れば贅沢な家です。飾りはありませんが・・・

3.M-HOUSEは基本的にはマツザワ設計の考える「いい家」です。子供から年寄りまで、楽しく満足出来る住まいです。後は住む人の暮らし方で色が出ます。

4.F-HOUSEは今までの研究結果を活かし、これからもいろいろ挑戦する「こだわり」の住宅です。マツザワ設計で吟味した様々な贅沢?を加えて行きます。但し、装飾は建て主さんの仕事です。あくまでもシンプルに!

木の家、そして強度、耐久性、断熱性などをしっかりさせると坪あたり、どうしても70万円くらい(M-HOUSE)になってしまいます。でも、50年以上持たせる構造、計画を持っています。また、職人の技術を活かして、メンテしながら長く住む家を創っています。長い目で見ると「すごく安い家」です。家は寝て、起きて、最低限の生活するだけの場所ではありません。そこで、家族が育っていきます。子供も、大人も・・・。休みの日に楽しいのも家の必要条件です。安全で、快適で・・・あとは皆さんが何を家に望むかですね。

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この先のマツザワ設計仕様

 ちょっと息切れしましたが、また頑張らないと・・・

 7.自然素材
 8.架構・見せる構造
 9.広葉樹・雑木
10.ラーメン構造
11.外板打付工法
12.編成材
13.シンプル
14.ファミリールーム
15.吹き抜け
16.トップライト
17.NO防蟻処理
18.耐震・制振
19.山で伐採
20.建築で使う小物あれこれ
21.思いもよらなかった『いい家うち』
22.おまけの911

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6.貧乏人の家シリーズ ⑤

最後のF-HOUSEになります。本当はここまで必要ないと思っているのですが、いろいろ研究開発(それほど大袈裟ではありませんが)していると、いろいろ出来る様になります。コストを抑える・・・でも強度や断熱性能などは落としたくないので、様々な検討を重ねます。するとハイスペック住宅の実現も可能になります。あまり予算の制約が無く、機能や性能を追求するならば、このF-HOUSEです。FREEのFですが、今まで編成材や国産ラーメン構造などを開発しながら実践して来た技術、経験を活かし、外断熱、耐震・免震・制振などの研究実践からの情報を活かした家づくりです。コストを抑えるところから入っていますので、決して高いものではありません。事実、構造的に強度を上げるのに100万円も足すと有り余るほど強度は高まります。断熱性能も然りです。毎回、コストコントロールで苦労していますので、こんな仕様はした事がありませんが、ローコストの研究、実践はハイスペック住宅に繋がります。

先ずは貧乏人の家シリーズのまとめとします。

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6.貧乏人の家シリーズ ④

M-HOUSE(マツザワ設計仕様)は25~30坪で2100万円~を想定した住宅です。B-HOUSEに以下のものが加わります。

1.OMソーラーなどのソーラーシステム(お湯採り含む)

2.広葉樹を多用します。

3.県産材利用住宅で、伐採から参加した家づくりも可能です。

4.合板利用は必要最低限とします。

5.合わせガラスなど防犯対策もします。

基本的なところで贅沢かも知れませんが「欲しいな~」程度のものは、出来る限り排除します。マツザワ設計仕様については、いろいろなところでお配りしているパンフに紹介されています。もともとS-HOUSEでもシンプルですが「至れり尽くせり」の住宅です。BそしてMとアップすると、装飾を省いていますが、シンプルな満足住宅です。後は暮らしながら味付け、色付けを建て主がします。

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6.貧乏人の家シリーズ ③

B-HOUSE(貧乏人の家シリーズのスタート型です。)S-HOUSEと同じ条件ですが、多少設備や使用材料などが変わります。25~30坪で工事費1800万円を想定した仕様です。

S-HOUSEに加わるもの

1.広葉樹が入って来ます。梁、柱、カウンターなど

2.簡易なソーラーシステム採用

3.必要に応じて、部分的に温水床暖房採用

4.杉の厚板を使い、内部仕上は漆喰と板

5.住宅設備機器は比較的安価なもの

6.塗装など施主が施工できるところは自分で・・・

2000年のチルチンびと11号で編成材の家の中で紹介(P67)したのが、貧乏人の家シリーズの始まりです。決して貧乏では家は建てられませんが、自分で「私は貧乏なんで・・・」なんて言いながら、豊かな生活(金銭的にではなく)をしている家族をイメージしています。決して贅沢は出来ませんが、しっかりとした家で、徐々に家族と共に育って行く家です。

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2006年4月 3日 (月)

6.貧乏人の家シリーズ ②

S-HOUSE

スケルトンハウス?設計監理料を含まず1500万円の家、若い夫婦と子供2人程度の家族構成で、25~30坪くらいの家を想定しています。

標準的な仕様として、ベタ基礎+基礎断熱+外張り断熱+蓄熱換気システム+自然素材+国産木材+ペアガラスアルミサッシ+木製玄関ドア+バリアフリー+防蟻剤など不使用+安全で環境に配慮した建材を使用・・・・今後のシリーズはこれに加えられて行きます。

これだけやるとかなりきついので、いろいろ減額します。先ず建具は極力減らします。サッシやドアなどですね。住宅設備機器類を極力最低限の物にします。後で変えられるものは贅沢しません。また後で出来る事は後回しにします。仕上げは出来る限りセルフビルドで。家具は極力造りません。

こうして最低限ですが、しっかりと構造、性能を満足させた空間を造ります。シンプルで質の良い家を目指します。

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